●企業の障がい者雇用の取り組み
企業が障害をお持ちの学生を積極的に採用しようとする傾向は、年々高まっています。障害があることは、必ずしも仕事をする上でのハンディではありません。単に障害者の雇用義務達成のため、法定雇用率遵守のために雇用するのみではなく、積極的に障害をサポートし、能力を充分に発揮して会社の重要な戦力として活躍してほしいと考える企業が増えています。
「障害に対する配慮」があれば、専門性・スキルを高め企業で活躍できるステージも整いつつあります。しかし、障害は「克服できる」ものではない、ひとりひとりの事情も企業へ伝えていく必要があります。勤務体制・通院の配慮、通勤手段の配慮や設備・補助機器の配慮が必要なのかなど自己の障害を的確にとらえ、「できること」、「できないこと」「配慮が必要なこと」などを率直に伝えていくとが大切です。
●CSR (Corporate Social Responsibility)
CSRとして障害者雇用の分野においても、企業には障害者の雇用義務があること、社会的連帯・ノーマライゼーションの観点から障害者雇用が重要であることが強調されています。
●ノーマライゼーション
障害のある人も、一般社会で等しく普通に生活できるようにすること、等しく生きる社会の実現を「ノーマライゼーション」と言い、これまで福祉が、障害者を一般社会から引き離して、特別扱いする方向に進みがちであったのに対して、すべての人が同じ人として普通に生活を送る機会を与えられるべきであるという、新しい福祉の考え方を提唱する言葉です。
就職するにあたり、「普通」ということが大変な問題となります。一人一人の必要とされる障害の配慮が違うこと、また企業・職場によっても違うため、仕事上のミスマッチが起きる可能性が常に存在します。就職先は大手企業・有名企業だからどこでもよいという考えは改め「自分にとって」マッチングする会社かどうかはよく検討する必要があります。
●ダイバーシティ
“Diversity”は「多様性」と翻訳されます。日本では一言で「ダイバーシティ」と表現しますが、これは英語の“Diversity & Inclusion”を省略したもので、「多様性の受容」を意味します。
ダイバーシティという言葉が意図しているのは、「外見上の違いや内面的な違いにかかわりなく、すべての人が各自の持てる力をフルに発揮して組織に貢献できるような環境をつくる」ことです。言い換えれば、「世の中にはさまざまな人がいます。性別、年齢、身体障害の有無などの外的な違いだけでなく、価値観、宗教、生き方、考え方、性格、態度、などの内面も皆違います。「ビジネスパーソンはこうあらねばならない、障害者だから・・・・」と画一的な型にはまることを強要するのでなく、各自の個性を活かし能力を発揮できるような組織をつくる。それは、個人にとってプラスであるだけでなく、組織自体にとっても大きなプラスである。」という考え方です。
ダイバーシティを推進する活動はもともとアメリカで始まったものですが、ダイバーシティを推進する企業は「多様な個性を持った従業員全員が高い意欲を持ち、 能力を十分発揮していくことが、企業のビジネス目標の達成を可能にする」と考えております。障害を一つの個性と考え、各自がそれぞれの目標達成のために、ダイバーシティをどのように役立てるかを検討してみるのは有意義なことではないでしょうか。多様な能力を十分発揮できるように、できる限り職場環境(ソフト面・ハード面)の配慮をする企業が増えています。
●エンプロイアビリティとQWL
卒業後、就職した企業で仕事を通じて自己実現をはかって行くことで、エンプロイアビリティを高めることが必要です。エンプロイアビリティとは、「労働市場における価値を含んだ就業能力、即ち、労働市場における能力評価、能力開発目標の基準となる実践的な就業能力」、と捉えられています。大企業で正社員採用されたからすべて安心というのではなく、個々人の就業能力を常に高めていく発想が必要です。自社内研修機会があるなしに関わらず、常に自己研鑽し、自分自身の就業能力を高める姿勢が必要となります。エンプロイアビリティを高めながら「労働生活の質的充実」、“Quality of working life”を図っていける仕事を見つけていくことが必要となっています。

